LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム
タリスカーを愉しむ
ウイスキーにおすすめのグラスはどれ?
ウイスキーを飲む際、どんなグラスを使っていますか?実は選ぶグラスによって、同じウイスキーでも飲んだ印象はがらりと変わります!今回はオーストリアの名門グラスウェアブランド「リーデル」さんのご協力をいただき、徹底検証!果たして、どのようなグラスがウイスキーにぴったりなのでしょうか?
ウイスキーのグラステイスティングを体験!
グラスを変えると、ウイスキーの香りと味わいの印象は、どのように変わるのか。それを知るには実際に体験してみるのが一番!
リーデル青山本店
今回やってきたのは、東京・青山にあるワイングラスブランド「リーデル」を販売する「リーデル青山本店」です。
リーデルは、260年以上の歴史を持つオーストリアの名門グラスウェアブランド。ショップでは様々なグラスの違いが体感できる「グラステイスティング・セミナー」が人気。
通常はワインとビールのグラステイスティングのみですが、今回は何とタリスカーのために特別に「ウイスキーグラステイスティング・セミナー」を開催していただくことに!
高級グラスを使った本格的なグラステイスティングとあって、MHDモエ ヘネシー ディアジオからは当コラムでもおなじみ、シングルモルトアンバサダーのボブさんも参加! ボブさんのコメントにも要注目です!
ロバート・ストックウェル(ボブさん)
MHD モエ ヘネシー ディアジオ シングルモルトアンバサダー。数多くの蒸留所を知る、ウイスキーエキスパート。気さくな人柄で業界内では「ボブさん」の愛称で社内外から親しまれています。
プロに聞く
グラス選びの基本と
形状の特徴
講師はテイスティング・マネージャー兼チーフグラスエデュケイターの庄司さんです。
ワインソムリエの資格を持つ庄司さんによる贅沢なグラステイスティング・セミナー、まずはグラスの基本知識からうかがってみましょう。
ウイスキーはもちろん、ブランデー、コニャックなどのお酒の特徴は、何といっても豊かな香りと味わいが楽しめる点です。
今回は、タリスカーというシングルモルトウイスキーが持つ複雑かつさまざまな味わいの印象が、グラスを変えるとどう変わるのか、それを「感じて」いただくのが、グラステイスティングの目的です。
庄司 大輔さん
リーデル(RSN Japan 株式会社) テイスティング・マネージャー/チーフ グラスエデュケイター。JSA認定ソムリエ。
グラス選びのポイント
グラス選びでは、お酒をグラスに注いだ時の香り、飲んだ時の味わい、加えて見た目の美しさもポイントです。
香りと味わいで選ぶなら、グラスの形状に、まずは注目してみましょう。
グラスの飲み口がすぼまった「閉じた形状」か、「開いた形状」かで、注がれたお酒から立ち上る香り、そして味わいの感じ方が大きく変わります。
グラスの持ち方も形状で変わります。ブランデー用のスニフタグラスは、グラスのボウル部分が大きく、手のひら全体で包んで持ちます。これに対して、テキーラグラスやコニャックグラスは長いステムを持ちながら飲むスタイルですね。
リーデルは、その飲み物の味わいや香りを理解し、それを飲むのに最適な形のグラスを製作しています。
リーデルのグラスでテイスティング
こうしたグラスの種類と形状ごとにどんな特徴があるか、ボブさんにもテイスティングいただきながら、5種類のグラスを使ってご説明していきましょう。
①タンブラー
タンブラーは香りやアルコールの揮発成分を逃がす形状をしています。日本でウイスキーといえば、タンブラーに丸氷を入れたオン・ザ・ロックのスタイルが一般的ですが、実はタンブラーは、ウイスキーの香り成分が集まりにくいカタチです。
潮のような香りやピート香といった、タリスカー本来のメッセージは控えめになります。
⇒ タンブラーの詳しい情報はこちら
【ボブさんひと口MEMO】
空気に触れている面積が広いためか、やわらかい甘みが感じられます! 純粋に香りを楽しみたい人には、少し物足りなさを感じることがあるかも。
②テキーラグラス
リーデルのテキーラグラスは、アルコール臭を和らげ、甘くまろやかな味わいを楽しむ形状が特徴です。
飲み口のすぼまり具合も強くないグラスなので、これで飲んだタリスカーは、ドライフルーツのような、甘みのある香りが印象的です。
⇒ テキーラグラスの詳しい情報はこちら
【ボブさんひと口MEMO】
フルーティさだけでなく、タリスカーの力強いイメージ、スパイシーさも感じられてGOOD!
③コニャックグラス
日本でも人気の「チューリップ型」の形状がコニャックグラスの特徴です。
タリスカーの持つ複雑な香り、味わいの中でも、スモーキーさ、スパイシーさよりもフルーティさやフローラルさといった甘みのある香りが前面に出てきます。また、若干ですがオイリーな感じもします。
⇒ コニャックグラスの詳しい情報はこちら
【ボブさんひと口MEMO】
タリスカーは決してねっとりとした感触のウイスキーではないのに、なぜかオイリーさが感じられて不思議!
④シングルモルトグラス(マシンメイド)
シングルモルトグラスは、まさにタリスカーのようなシングルモルトウイスキーを楽しむために開発されたグラスです。
縦長ですぼまりの強くない形状は、アルコールの刺激を逃がしつつ、シングルモルトが持つ本来の香りを伝えやすくします。
タリスカーを一口含めばスモーキーな香りやスパイシーさといった、タリスカーらしさがよりはっきりと感じられます。
⇒ シングルモルトグラス(マシンメイド)の詳しい情報はこちら
【ボブさんひと口MEMO】
タリスカー蒸留所で味わった感じがよみがえるほどに、タリスカー本来の味わいが感じられるグラス。香り・味わいのバランス感が絶妙です!
⑤スニフタグラス
ブランデー用につくられているスニフタグラスも試しましょう。
下から手のひらで持つスタイルは、映画やドラマなどでも見かけたことがある方もいらっしゃるかと思います。
このグラスは、ボウル部分が大きなタマゴ型で、お酒を自然に温める形状になっています。
スワリングをしてお酒をよく回すと、グラス全体にお酒の膜が張り、アルコールが揮発します。タリスカーでは、むせかえるような濃密な香りや刺激が感じられます。味わいも強くなります。
⇒ スニフタグラスの詳しい情報はこちら
【ボブさんひと口MEMO】
エタノールのパンチの効いた香りが強烈。いきなり鼻を近づけたら香りの刺激でKOされてしまいそう!
ハンドメイドとマシンメイド
2つのシングルモルトグラス
そして、最後にご紹介するのが、タリスカー好きな方にはぜひ一度お試しいただきたい、ハンドメイドのシングルモルトグラスです。写真向かって左がハンドメイド、右がマシンメイドです。
一見すると同じ形ですが、こちらはグラス職人の手で一つひとつ仕上げられており、マシンメイドよりも非常に薄く、繊細なつくりで表面もシルクのようになめらかです。
スムーズな口当たりと味わいの強さ、さらにタリスカーのより微妙なニュアンスまでもが、明確に感じられます。
オーディオの音質にたとえるなら、CDとハイレゾ音源ほどに違い、まさに愛好家が真剣にシングルモルトと向き合ってテイスティングするための逸品です。
⇒ シングルモルトグラス(ハンドメイド)の詳しい情報はこちら
【ボブさんひと口MEMO】
飲み口に少し唇にあてただけでグラスの薄さや繊細さを実感!マシンメイドでは感じられなかった、隠れた香りや味わいが現れてくるような感動があります!
グラステイスティングで
ウイスキーの楽しみが広がる
タリスカーのような個性ある優れたシングルモルトは、グラスのほんのちょっとした形状の違いで、飲んだ印象が大きく変わります。
ウイスキーは、ストレートやロックと飲み方を変えて楽しめるお酒ですが、さらにグラスを選ぶ楽しみも加えてみてはいかがでしょうか。
シングルモルトウイスキーのタリスカーが持つ、豊かで複雑な味わいや香りを、その時の気分や好みでグラスを変えて楽しむ。グラスひとつでウイスキーの楽しみ方はもっと広がると思います。
- 取材・セミナー協力
リーデル青山本店 -
〒107-0062 東京都港区南青山1-1-1
青山ツインタワー東館1F
電話番号:03-3404-4456
営業時間:平日11:00~20:00
土曜・祝日10:00~18:00
定休日:日曜日・年末年始
http://www.riedel.co.jp/
グラステイスティング・セミナー開催中!
4種のワインでリーデルの世界を体験できるベーシックコースのほか、シャンパーニュコース、クラフトビールコースがあり、すべて事前予約制。グラスによるお酒の味わいの変化を体験できる「今月のおすすめグラス」は、500円で参加可能。詳しくはリーデルホームページで。