LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム
タリスカーを知る
ウイスキーの香り、どうやって感じる? 究極のカッコいいテイスティング【vol.2 香りと味を楽しむ編】
シングルモルト ウイスキーの個性的な香りや味わいを楽しむ「究極のテイスティングのやり方」を前回に引き続き伝授!今回はグラスにウイスキーを注いだ後の「ノージング」と「テイスティング」のやり方をご紹介します。
テイスティングの心得②
ノージングは初対面の人に
あいさつをするように
ハイ、みなさん、ボブです。
前回の記事では、テイスティングの心得①として、「ウイスキーの色をカッコよく確かめる」ところまでをご紹介しました。
次に何をするかといえば、ウイスキーの奥深い香りを確かめる「ノージング」を行います。
僕がご紹介する「究極のカッコいいテイスティング」では、香りのかぎ方もカッコよさを追求していきますよ!
香りを確かめるときは、いきなり鼻をグラスに近づけるのは無粋ですね。鼻がビリビリとやけてしまいます。たとえていうなら、女性にいきなり近づいて匂いを嗅いだら、ビンタされるようなもの。
初めてのウイスキーのテイスティングをする時は、初対面の人にあいさつするつもりで接するべきです。初対面の人に、いきなり「やあ」って、ハグしたりしませんよね?
ウイスキーも同じです。
「こんにちは~」とか「お元気ですか~?」とか「最近どうしてますか~」と軽くあいさつするように、数回に分けて、そっと香りをかぐのが正解!
これを繰り返すうちにだんだんと鼻も慣れてきます。少しずつ、相手を知ることで友達になり、そして深い関係になっていくんです。
左右の鼻孔で匂いを確かめる
体調によって右、左で匂いの感じ方が変わることもあります。鼻の孔も左右それぞれを使って、香りをチェックしてみてください。
実は人間の鼻というのは、他の動物たちと同じように本来嗅覚はすぐれているそうです。ですが、細分化された匂いを認識する脳がついていってないだけとか。
タリスカー10年の香りとは?
タリスカー10年の香りの特徴は、こんな感じにまとめられます。
- スモーキーで、ブラックペッパーの香り
- その奥に隠れているドライフルーツのようなフルーティな香り
- さらに牡蠣にレモンを加えたような、海っぽい香り
タリスカー10年の特徴的な香り、ぜひみなさんも確かめてみてください!
さらにこんなポイントも
ノージングするとき、口を少し開いた状態にすると、口を抜ける香気から繊細な香りが感じられますよ!
テイスティングの心得③
ウイスキーを味わう
では、いよいよ飲んでみましょう。
乾杯はスコットランド式にゲール語で「スランジ バー」でいきましょう。声に出してみると、これもまたカッコいいですよ?
テイスティングは、まずストレートで10秒口に含む
最初はストレートで、じかにウイスキーの味を感じ取ってください。
ほんの少しのウイスキーを口に含み、最低でも10秒、ゆっくりと舌の上で転がし、そして飲みこみます。
舌の上をパレットのようにして、さまざまな味わいを感じてみてください。
タリスカー10年のピリピリくる舌ざわり――スパイシーさ、そして力強さを感じてみましょう。
次は数滴だけ加水する
ストレートを味わったら、次はほんの数滴の水を入れてみましょう。チェイサーの水に指をつけ、指でウイスキーに水を垂らします。
そして、もう一度ノージングして、さらに開いた香りを感じてみましょう。
数滴の水を加えただけで、ほのかなシトラス感がひろがり、スモーキーさがはっきりしてきます。たった1滴の水でもウイスキーの香りは変化するんですよ!
ワンショットを15~20分かけて
こうして、いろいろな角度から香りと味わいを確かめながら、ゆっくり時間をかけて味わって飲むようにしましょう! 初対面のウイスキーならなおさらです。僕の場合でもワンショット(シングル)を15~20分かけてゆっくり飲むようにしています。
最後は香りをいただく
ウイスキーを飲み干した後、グラスの底にほんの少し残ったウイスキー、みなさんはどうしてますか? 残しておく?そんなのもったいない!
ボブ流テイスティングでは、残ったウイスキーは、香りでいただきます。わずかなウイスキーを手に取り、両手の手のひらでこすり合わせ、アルコール分を飛ばして鼻をおおうようにして香りをかいでみましょう。
すると、ウイスキーのいろいろな香りが飛ばされ、バックボーンとなっている香り、すなわち大麦の香りが手のひらに残るんですよ! 手間をかけ長い年月をかけて作られたウイスキーの原料を感じ取る、これも究極にカッコいいテイスティングの真髄です。
シングルモルトの香りを、すみずみまで余すことなく楽しんでください!
次回は、いよいよ最終回、この他のポイントについてご紹介しますので、どうぞお見逃しなく!