LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム
タリスカーと生きる
「一日で最も輝く時間」をタリスカーとともに ラジオ番組ディレクターに訊くタリスカーと音楽について
タリスカーとともに愉しむ、洗練された大人の音楽を届けるラジオ番組「TALISKER Presents Golden Time of Day」。制作の舞台裏では、選曲から編集までをこなし、収録現場を盛り上げる百戦錬磨の敏腕ディレクターの存在がありました!今回は、豊富な経験と音楽センスを武器に活躍する番組ディレクターの能勢修さんにスポットをあて、番組制作という仕事の醍醐味とその魅力に迫ります。
※本記事は、ラジオ番組が放送中の2016年当時の内容のままお届けしています。
タリスカーを手に聴きたい
「アーバン・グルーヴ」とは?
第2回の収録前の様子。写真手前が能勢さん。写真奥の左が番組DJのMC RYUさん
番組タイトルの由来や番組コンセプトについて訊かせください
能勢さん:番組タイトルの「Golden Time of Day」は、R&B グループの Mazeが1978年に出した同名の楽曲に由来しています。
日曜の夕暮れに、ひっそりと大人の時間を過ごすリスナーに向けて、タリスカーの入ったグラスを片手に上質な大人の音楽とともに「一日の中で最も輝く時間」を過ごす、そんなコンセプトから番組づくりはスタートしました。
番組では未だかけていませんが、ぜひ一度聴いていただきたいですね。
『Golden Time of Day』の楽曲はコチラ
番組で流れる楽曲を「アーバン・グルーヴ」と呼んでいますが、どのような音楽をイメージされているのでしょうか
能勢さん:通常、洗練された都会的な音楽をアーバン・ミュージックといいますが、この番組では、大人が聴きたい音楽が前提なので、70年代、80年代の音楽を中心に、ヒップホップやR&B、ジャズなど、ノリが良くて都会的なグルーヴ感のある楽曲を選ぶようにしています。
こうしたコンセプトに合うように「アーバン・グルーヴ」という言葉に作り替えたんです。
タリスカーはスコッチウイスキーなので、最初はスコットランド由来の音楽を中心にしたかったのですが、前番組はUKの音楽がフィーチャーされるし、番組DJのMC RYUはLA育ちのアメリカっぽい個性を持っている。
そこにタリスカーのブランドイメージも加わりますから、そのあたりの事情も考慮して、選曲や番組の構成を考えるようにしています。
能勢修さん プロフィール
ラジオ番組ディレクター。株式会社AFM代表取締役。約30年のキャリアを持つベテランディレクター。ヒップホップ、R&Bを始めとする、ブラック・コンテンポラリー音楽への深い造詣を武器に数多くのラジオ番組を手がける。1996年に開局後からInterFMの番組制作にも関わる。「TALISKER Presents Golden Time of Day」の番組ディレクターを務める。
スタジオの収録では、MC RYUさんとの息の合ったコンビネーションが印象的でした。
能勢さん:実はRYUとは、20年近く一緒に仕事をしてきて、彼の音楽の好みもトークもよく知っているので、番組進行は確かにスムーズですね。
収録では、とにかくRYUをノセてあげるのが僕の仕事。彼をリラックスさせて、気持ちよくしゃべってもらえれば、番組にもグルーヴ感が出てきますし、盛り上がりますから。
番組の軸となる
楽曲選びの考え方
壁一面に並んだCDが圧巻の自宅作業スペース。かつてはレコードだけで1万枚以上所有されていたそう。
番組制作はどのように行われているのでしょうか?
能勢さん:制作の工程としては、まず選曲を行い、それからスタジオや取材先での収録、そして編集という流れで行います。
選曲は、自宅の作業スペースでタリスカーをちびちび飲みながらやってます(笑)。僕はもともとクラブDJだったので、音のイメージが先に浮かんで、それが選曲の軸になるんです。
リスナーにタリスカーのイメージを感じてもらうために、「海」や「島」といった関係の深いキーワードからイメージをふくらませます。たとえば、タリスカーと結びつく海は、南国リゾートのような明るさではなく、重厚な海のイメージですよね。そんなキーワードを基にして、自分がすごく好きで番組でどうしてもかけたい曲を選んでから、前後の曲の構成を考える。それで30分番組のストーリーを組み立てています。
ゲストが出演していれば、ゲストのコメントから曲をつないでいくよう工夫もしています。
エッセイスト&バーマンの島地勝彦さんがゲストだった回では、島地さんに「人生は捨てたもんじゃないよ」というメッセージをいただいたので、そのコメントの余韻を残しつつ、Nat King Coleの「smile」を続けて流しました。
ジェントルな声と歌詞のニュアンスもぴったりハマったと思いますよ。
これまでオンエアした楽曲の中のお気に入りベスト3を挙げるとしたら?
1位は、Shirley Horn『Return to Paradise』。
海のかなた、その島にある楽園に帰ろうという歌詞とシャーリー・ホーンのピアノ、そして歌声もすごく好きです。実はシャーリー・ホーンには直接インタビューしたことがあって、思い入れのあるアーティストの1人でした。
『Return to Paradise』の楽曲はコチラ
2位は、先ほど紹介したNat King Coleの『Smile』。
1936年の映画、『モダン・タイムス』でチャップリン自身が作曲したテーマ曲。後の1954年、ジョン・ターナーとジェフリー・パーソンズが歌詞とタイトルを加えた人生の応援歌。
『Smile』の楽曲はコチラ
3位は、Louie Vega feat. Josh Milanの『You’ve got it Bad Girl』。
スティービー・ワンダーのカバー曲ですね。ハウスミュージックのレジェンドが2016年、こうした楽曲をリリースし続けているのが嬉しいです。
『You’ve got it Bad Girl』の楽曲はコチラ
番組制作というお仕事の魅力は?また、ラジオにはどんな良さがあると思いますか?
番組ディレクターにとって、番組作りの醍醐味はやはり編集作業をしている時ではないでしょうか。
今はどんな番組でもパソコンで編集ができますから、局内のスタジオでも自宅でも、仕事場所は選びません。僕はアナログ時代からラジオ番組づくりにたずさわってきましたが、確かに昔の番組制作は大変でした。ラジオ局に泊まり込みで編集作業を行い、録音したテープを切ってつなげたりしてましたね(笑)。
けれど、その経験のおかげで、30分番組なら1日あれば編集作業を終えられて、よりスピーディに番組が作れます。
デジタルで番組を制作する環境が整ってきたので、海外のラジオ番組では番組DJが一人で番組づくりのすべてをこなすスタイルが主流になってきています。
生放送で曲をかけながら、リスナーと電話で話したり、何役もこなすDJが活躍しています。
今はツイッターなどのSNSからリアルタイムでリスナーの反応が見れますし、ラジオにはリアルタイムな臨場感があふれています。
テレビとは違い、ラジオはリスナーが別のことをしながら自由なスタイルで楽しめるのが、ラジオの大きな魅力のひとつだと思います。
作業の合間に
愉しむようになった
タリスカー
自宅で選曲や編集作業をしながらタリスカーを飲む時間が能勢さんにとっての「Golden Time of Day」
タリスカーを飲んでみて、どんな感想をお持ちになりましたか?
学生時代に初めてウイスキーを飲んだのですが、その頃は若気の至りから、がぶ飲みしては悪酔いしてしまっていました(笑)。それから、この仕事のお話しをいただくまでは、ずっとウイスキーは悪酔いするものと思い込んでいたんです。
でも、このタリスカーはシングルモルトのピュアな味わいが感じられて、こんなに美味しいウイスキーに出会ったのは生まれて初めてです。
とても気に入ってしまって、今では編集作業をしながら飲むようになりました。個人的には「タリスカー10年」はハイボールで飲むのが一番好き。美味しいから飲み過ぎないように気をつけています(笑)。
番組の今後の展開は?
この番組を通じて、この上質なシングルモルト ウイスキーと大人の上質な音楽をもっと広めていきたいと思っています。
11月は大物アーティストがゲストで登場しますので、ぜひタリスカーを片手に愉しみながら聴いていただければ幸いです。