シングルモルト スコッチウイスキー タリスカー MADE BY THE SEA

LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム

タリスカー古いボトルラベル

タリスカーを知る

ウイスキーの語源はゲール語で「生命の水」、「乾杯」も粋にゲール語で!

ウイスキーという言葉の語源をご存じですか?ウイスキーにまつわる言葉の多くが、アイルランドやスコットランドに伝わる古代ゲール語に由来しています。実は日本でも有名なあの歌の歌詞も実はゲール語がルーツ!知れば知るほど奥の深い、ウイスキー用語についてご紹介します。

スコッチウイスキーと
ゲール語の関係

スコットランド道路標識

スコッチウイスキーには、ちょっと変わった名前の銘柄が多いなと思ったことはありませんか?ラベルの文字が英語読みしづらい風変りな名前が多いですよね。

その理由は、スコットランドで現在も公用語となっているゲール語にあります。上の写真は、スコットランドの道路標識ですが、2つの言語で表記され、上はゲール語、下は英語で書かれています。

有名サッカーチーム名にも

そもそもゲール語は、ローマ帝国時代に大陸から追われ、ブリテン諸島に移住してきたケルト人(ケルト民族)が使っていたケルト語がルーツと考えられています。かつてはサッカーの中村俊輔選手が所属していたスコットランドのサッカークラブチーム、セルティックF.C.は「Celtic」と表記され、「ケルト民族」や「ケルト語の」と言う意味があり、チーム名にもケルト文化の名残が表れていますね。

実際には、スコットランドでゲール語を話せる人は限られており、ほとんどの人は日常的に英語を使います。日本でいえば、沖縄に伝わる方言のような存在といえるでしょう。

スコットランド地図 ゲール語はアイルランドを始め、スコットランド、マン島など、複数の地域に枝分かれした言語の総称で、本来用いられる地域によって、アイルランド・ゲール語、スコットランド・ゲール語といった具合に区別されます。白地図の部分がアイルランド。スコットランドの南に位置している小さな島がマン島です。公道バイクレース「マン島TT」で有名です。


ウイスキーは錬金術?

ウイスキーの語源は命の水

ところで、ウイスキーがなぜ「ウイスキー」と呼ばれるようになったのか。

元々は中世の錬金術師が蒸留技術を使って生み出した高アルコールの酒が口の中で燃え上がるような味わいだったことから、これは不老不死の薬であると考え、ラテン語で「aqua vitae=生命の水」と名付けました。この技術がアイルランド、スコットランドと渡った際に、ゲール語に訳され、「ウシュク・ベーハー(Uisge beatha)」(またはウシュケ・ベァハ)と呼ばれるようになりました。その後、「水」という意味のウシュクが訛って、ウイスキーになったといわれています。

ベーハーとは「生命」という意味。つまりウシュク・ベーハー=ウイスキーは「生命の水」という意味になります。


「蛍の光」の本当の意味

バーンズナイトのお祝いには名物のハギス

日本の卒業式、お店の営業終了BGMなどでお馴染みの「蛍の光」。
日本では旅立ちや別れをイメージさせるこの曲、実は古くから伝わるスコットランドの民謡がルーツ。

詩人のロバート・バーンズが作詞したゲール語の原題は「オールド・ラング・サイン(AULD LANG SYNE)」(懐かしいあの頃)という意味です。

スコットランドでは、意外にも、友人の誕生日を祝うバースデーソングとして歌われます。原詩では「古き昔のために友情の杯を飲み干そう」という歌詞がつけられ、日本の蛍の光とは歌詞の意味合いがまったく違うんですね。

ロバート・バーンズは、スコットランドでは国民的な詩人として知られています。特にバーンズの誕生日である1月25日前後の日は、バーンズ・ナイトと呼ばれる記念日になっており、各地で祝賀イベントが開催され、バグパイプの演奏とともに名物料理のハギスが登場します。バーンズの「ハギスに捧げる詩」の朗読の後、ナイフで切り分けられ、集まった人びとにふるまわれます。ロバート・バーンズといえば、それほどに人びとに親しまれる偉大な詩人です。


タリスカーの語源は?

Thalas Gair傾いた大岩

では、同じくスコットランド生まれの「タリスカー」はというと、実はゲール語ではなく、古代ノース語(バイキングの言葉)で「Thalas Gair(傾いた大岩)」から名付けられたと伝えられています。これは8世紀~10世紀頃に大暴れしたバイキングが侵略しスカイ島に入植し、そのまま定住したためといわれています。

タリスカーの語源はバイキングの言葉で傾いた大岩からバイキングは、800年~1050年頃に主に西ヨーロッパ沿海部を船で侵略したスカンジナビアの海洋民族(海賊)のこと。現在のノルウェー、デンマーク、スウェーデン等に暮らしていた。この地域に暮らしていた民族はノース人と呼ばれ、バイキングも含まれる。

ちなみにタリスカーの故郷、スカイ島(Skye)は、同じく古代ノース語で「翼の形をした島」という意味です。

とはいえ、多くのスコッチウイスキーの名前には、川、谷、海、岩など、自然に由来する言葉が使われており、タリスカーも例外ではありません。このあたりにウイスキーと土着の自然との密接なつながりを持つ、スコットランドの文化が感じられます。

スカイ島 タリスカー蒸留所


乾杯をゲール語で

タリスカー蒸留所ビジターセンター スランジ

ゲール語では、乾杯を「スランジ バー」と言い、「slàinte mhòr」と綴ります。これは「あなたの健康を祝して!」という意味で、スコッチウイスキーを飲む時は「スランジ バー」の発声とともに乾杯するのが粋です。タリスカーで乾杯する時は「スランジ バー!」をぜひ使ってみてください。

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