LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム
タリスカーを知る
アイラ、アイランズ、アイリッシュ、これ全部ウイスキーの代表的な産地なんです!
アイラ、アイランズ、アイリッシュ、いずれもウイスキーの産地の名称ですが、それぞれの場所や特徴の違いをご存じですか? よく見れば違うかもしれないけど、わかりづらいウイスキーの産地とその特徴について、詳しくご紹介していきます。
多種多様な個性が魅力の
スコッチウイスキーの世界
「スコッチを飲むのがだんだん楽しみになってきた」
最近、そんな声が増えてきました。
世界の5大ウイスキーの中でも、スコットランド産のウイスキーの品種・ラインナップの多さは世界でも随一といえるでしょう。スコッチは世界のウイスキー消費量の約6割を占めているといわれます。
ところが、バーなどでスコッチウイスキーを楽しむうちに、よく似た種類のウイスキーがあることに気づくようになります。 「アイラ」とか「アイランズ」、さらには「アイリッシュ」といった言葉がバーで飛び交っているのを聞いて「おや」と思った経験はありませんか?
ひと口にスコッチといっても、シングルモルト、ブレンデッドともに豊富な品種・ラインナップが揃っており、特にシングルモルト ウイスキーにおいて、これほど多様な個性に出会える産地は他にありません。
こうした多様さもスコッチウイスキーの魅力のひとつですが、実はスコッチは生産される地方や地域で6つに分類されます。今回はこれらの地域ごとの特徴をご紹介していきます。
ちなみに、冒頭に登場した「アイリッシュ」はスコッチウイスキーではありません。
アイリッシュは文字通り、アイルランド産ウイスキーのこと。スコッチでは一般的な「2回蒸留」に対して、「3回蒸留」を行った、ライトな味わいが特徴のウイスキーです。
知っておきたい
スコッチウイスキーの産地
まずは上のスコットランドの地図をご覧ください。スコッチの産地は
- ハイランド
- スペイサイド
- アイラ
- アイランズ
- ローランド
- キャンベルタウン
これら6つの産地に分類されます。これらを並べただけでも、ちょっとややこしい(?)気がします。
スコットランドのウイスキー造りは、古くはハイランドとローランド、文化や民族が異なる2つの地域に分かれており、ウイスキーの性格や特徴も異なっていたといわれています。
その後、6つの地域に分かれるようになった、といえば少し理解しやすくなるでしょうか。
それでは、各産地の特徴、そしてMHDモエ ヘネシー ディアジオが扱うシングルモルトウイスキー銘柄の例をみていきましょう。
①ハイランド
- グレンモーレンジィ
- クライヌリッシュ
- ダルウィニー
- オーバン
スコットランド北部の広大な地域。ハイランドは古くからのウイスキー生産地であり、現在も個性あふれる40あまりの蒸留所が稼働し、バラエティに富んだスコッチに出会えます。
②スペイサイド
- クラガンモア
- グレン エルギン
- モートラック
ハイランド北東部に位置するウイスキー生産地です。スペイサイドを流れるスペイ川の流域に、スコットランドの全蒸留所の約半数となる50以上の蒸留所が集中。理由は、その昔イギリス政府の課税を逃れて蒸留所を作るのに、地形的に隠れやすかったからといわれています。上品さやフルーティさを特徴とするウイスキーの名品が揃います。
③アイラ
- ラガヴーリン
- カリラ
- アードベッグ
スコットランドのヘブリディーズ諸島の最南端にあるアイラ島。日本でも人気のアイラモルトの発祥地です。アイラモルトといえば、強烈な個性と独特でスモーキーな味わいのスコッチが揃っていることでも有名です。アイラを代表する「ラガヴーリン」は今年200周年を迎えます。
④アイランズ
- タリスカー
アイラ島を除く、ヘブリディーズ諸島の島々の総称がアイランズと呼ばれ、タリスカーはこの地域のスカイ島を代表するシングルモルトウイスキーです。この他の島々を合わせて、7つの蒸留所があります。
⑤ローランド
- グレンキンチー
エジンバラ、グラスゴーなど、スコットランドの大都市が集まる、穏やかな気候が特徴。 口当たりの軽い、飲みやすいシングルモルトが多いのが地域的な特徴です。
⑥キャンベルタウン
アーガイル地方にある小さな港町。かつては数多くの蒸留所が集まっていましたが、現在までに残っている蒸留所は、3ヶ所です。
スコッチが映し出す
その産地の風土や伝統
スコッチウイスキーの生産地域をご覧になって、「アイラ」と「アイランズ」の違い、お分かりいただけたでしょうか?
このうち、アイランズに分類されるタリスカーは、よくこんな風に評されます。
「タリスカーほど、その土地の風土を表したウイスキーはない」
唯一無二のシングルモルト、タリスカーは、現在もスカイ島の厳しい自然の中にある蒸留所で造られています。
スカイ島は北海道より北の北緯57度に位置し、一年を通じて霧に包まれることの多い「ミストアイランド」としても知られる、厳しい自然環境なんです。
潮の香りをたっぷりと吸い込んだ雨風にさらされたスカイ島の大地が、タリスカーの独特の潮のような香りや味わいに深く影響しています
スコッチウイスキーには、伝統と歴史、そして、作られる土地の風土が感じられるウイスキーが数多くあります。 スコッチウイスキーのさまざまな味わいや個性を比べて楽しむのが、一番の魅力なのかもしれません。