LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム
タリスカーを知る
「ひと口飲めば、あなたもスコットランド・スカイ島の自然の中へ。」 タリスカー蒸留所所長が語る、タリスカーとスカイ島の魅力とは。
「タリスカーは、世界のどこにいても、あなたをスコットランド・スカイ島へ連れて行ってくれるシングルモルトウイスキー」と語るのは、(2017年10月に就任した、当時の)タリスカー蒸留所所長のダイアン・ファレルです。今回はダイアン所長が、世界No.1のスモーキーシングルモルトのタリスカーとスコットランド・スカイ島の雄大な自然の魅力について語ってくれました。聞き手は、ボブの愛称で親しまれるMHD モエ ヘネシー ディアジオのシングルモルト アンバサダー、ロバート・ストックウェルです。
所長就任の感想と
タリスカーへの想い
ロバート・ストックウェル(以下、ボブ):まず、タリスカー蒸留所所長のご就任、おめでとうございます。スカイ島の象徴ともいえる、最も歴史ある蒸留所の所長に就任してみて、どんな感想をお持ちですか?
ダイアン・ファレル所長(以下、ダイアン):どうもありがとうございます! 私のタリスカー蒸留所の第一印象は、「自分の想像を越えて、はるかに素晴らしいところ!」でした。
タリスカーに来る前はハイランドのティーニニック蒸留所所長を務めていたので蒸留所のオペレーション経験はありましたが、タリスカー蒸留所では新たな気持ちで、スタッフ全員でチーム一丸となってタリスカーを造っています。
ボブ:なるほど! ダイアン所長ご自身はタリスカーにどんな特徴や魅力があると思いますか?
ダイアン:「タリスカーをタリスカーたらしめているもの」という意味では、蒸留所のあるスカイ島と、多くの人々に支えられている、というところに一番の特徴があると思います。 スカイ島の雄大な自然と海が育む海潮の香りと黒胡椒のようなスパイシーさ、個性的な深い味わいが、タリスカー最大の魅力であることは間違いありません。
さらに、タリスカー蒸留所が設立された1830年頃は、スカイ島には合法、非合法を含めて7つのウイスキー蒸留所がありましたが、当時から残っているのはタリスカーだけ。スカイ島に暮らす地元住民と蒸留所の職人やスタッフたちとの良好な関係が続いてきた結果だと思います。
また、世界中のファンから長く愛されていることも大きいですね。タリスカー蒸留所には、年間7万人ものビジターが訪れますが、これはスコットランド全土の蒸留所の中でも2番目に多いビジター数です。繁忙期の蒸留所の案内ツアーは、約15分に1回のペースで行っており、フル稼働しなくてはならないほどの人気です。
このように、作り手とスカイ島に暮らす人々、多くのファンの皆さま、さらにはタリスカーの魅力をひろげる世界中のブランドアンバサダーなど、タリスカーに関わるすべての人たちが、タリスカーの魅力を作り出しているのです。
スカイ島の自然を前に
「MADE BY THE SEA」を実感
ボブ:タリスカーに関わるすべての人々がタリスカーの魅力を作っているというのはよく分かります!そのタリスカーの味わいを語る上でスカイ島の自然を切り離すことはできませんが、初めてスカイ島に訪れた時の印象はどうでしたか?
ダイアン:スカイ島ではいつものことなのですが、私が初めてスカイ島に来た時も、ものすごいどしゃぶりの雨でした(笑)。 でも、私は着任してまもなく、なぜこの地に世界中から観光客が訪れるかわかりました。それはスカイ島には本当に美しい雄大な自然があるから!
たとえば、スカイ島にあるクーリン・リッジという海に囲まれた荒々しくゴツゴツした岩場にいると、タリスカーの「MADE BY THE SEA」という言葉の通り、タリスカーが本当に海のすぐそばの雄大な自然の中で造られていることを実感できます。
ダイナミックな岩場が連なるスカイ島のクーリン・リッジ
ちなみに、私は今タリスカー蒸留所から徒歩2分もかからないところに住んでいるのですが、スカイ島の素晴らしい眺めを毎日見られてとても幸運です。毎朝起きるのがとても楽しみなんです!
とはいえ、ある嵐の晩、家の窓からロッホ・ハーポートの海上に激しく雷が落ちるところを見て、とても怖い思いをしました。その時、改めて自分は今、大自然の中にいるんだと実感しました(笑)。
スカイ島では、凄まじい嵐が来たかと思えば、次の瞬間には静謐な空気に包まれるなど、目まぐるしく天候が変わるため一日の中に四季があるような体験ができます。
そんな魔法のような気候は、スカイ島を象徴する「スカイ・ウェザー」と呼ばれています。
蒸留所側からみたロッホ・ハーポート。天候が急変して嵐に変わることも
タリスカーの味わいは、このようなスカイ島の美しくも荒々しい自然を体現しています。世界のどこにいてもタリスカーを飲めば、潮風が吹く海辺でたき火をしている、スカイ島の風景の中へと一瞬で連れて行ってくれる。タリスカーとは、そのようなシングルモルト ウイスキーなのです。
所長としての仕事と
一日の過ごし方
ボブ:僕は週の半分はスカイ島にいることになりますね(笑)ところで、ダイアン所長は、蒸留所ではどんな一日を過ごしているのですか?
ダイアン:蒸留所所長の仕事は本当に多岐にわたります。例えば、今回のように、東京でタリスカーの魅力を伝えるのも大切な仕事ですし、蒸留所に戻れば、蒸留所の職人やスタッフたちと同じように、ユニフォーム姿で安全靴を履いて、蒸留所のオペレーションを行います。
現在は、タリスカーの伝統的製法を変えることなく、いかにタリスカーの品質を一定に保ち、効率的に生産するかという課題に取り組んでいます。冷却水やエネルギーなど、限られた資源を最大限に活用し、環境にも配慮する仕組みを構築しなくてはなりません。
本場スコットランドでも
ハイボール人気が上昇中
ボブ:僕は仕事が終わると無性にタリスカーが飲みたくなりますが(笑)、ダイアン所長は、どんな時にタリスカーを飲みますか?
ダイアン:たとえば、寒い日には自分の部屋で暖炉に火を起こして、蒸留所を眺めながらじっくりとストレートで味わったり、ロッホ・ハーポートを眺めながら飲むのもすごくいい時間です。出身地のグラスゴーに戻って友達と飲んだり、屋外で飲むのも好きです。色々な飲み方を人に紹介するのも好きですね。
ボブ:ダイアン所長が、特に好まれるタリスカーの飲み方は何ですか?
ダイアン:タリスカーは多彩な飲み方ができますから、TPOやシチュエーションによるのですが、カクテルにして飲むのも好きですし、昔ながらのニート(ストレート)も大好きです。
最近はスコットランドを含め英国全土でハイボール人気が高まっており、食事にぴったりで気分をリフレッシュできるハイボールも好きな飲み方です。特に「タリスカー スパイシーハイボール」は、タリスカーらしいフレーバーを際立たせ、とても味わい深い素晴らしい飲み方だと思います。
ダイアン所長から
ファンの皆様へのメッセージ
ボブ:日本発のタリスカー スパイシーハイボールが世界で愉しまれるようになれば光栄です!では、最後に日本のタリスカーファンの皆さんにメッセージをお願いします!
ダイアン:まずお伝えしたいのは、感謝の気持ちです。いつもタリスカーを愉しんでいただき、本当に有難うございます。そして、ぜひスコットランド、スカイ島にあるタリスカー蒸留所に遊びにいらしてください。タリスカーがどれほどスカイ島の自然を体現しているか実感いただければ、その後はタリスカーを一口飲むだけで、いつでもスカイ島の大自然と空気を感じることができます。
蒸留所はいつでも皆さまを歓迎していますが、11月~3月の冬の間は比較的お客様が少なく、スタッフが案内する見学ツアーをほぼマンツーマンで愉しめる場合もあるのでおすすめです。ガイドとじっくりと話したり、質問もできますよ。
それから、タリスカー蒸留所内に「ボートバー」を新設しました。海の上のボートのような雰囲気で、雨の日も濡れずに海の上でタリスカーをお愉しみいただけますよ(笑)。蒸留所を訪れたらこちらもぜひ訪れていただきたいです!
ボブ:ダイアン所長、今回は本当にありがとうございました!では、タリスカー スパイシーハイボールで乾杯しましょう!ご一緒に!
ダイアン&ボブ:スランジバー!