LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム
タリスカーと味わう
これぞ匠の技! イブシ銀の「黒胡椒の燻製」、深い味わいの秘密
燻製人気が続く中、「究極の燻製」を追求し続けるプロの燻製工房を訪問。どうしたらもっと燻製がおいしくなるのか?
そして匠の本物へのこだわりとは?ウイスキー関係者や燻製業界で注目されている「横浜燻製工房」を訪ね、プロならではの燻製づくりの視点や技についてお話しをうかがいました。
「香りが格段に違う」
黒胡椒の燻製
潮のような風味とスパイシーな味わいを持つ、タリスカー スパイシーハイボール のアフターテイストは、ほんのりと黒胡椒の風味が漂います。これをさらに引き立てるため、粗挽きの黒胡椒を仕上げのトッピングとして振りかけるのが、タリスカーがおすすめする飲み方です。
黒胡椒であれば、一般的なものを使えば十分ですが、さらにラグジュアリーな風味が楽しむには「黒胡椒の燻製」を使うのがベスト。
黒胡椒の燻製は、タリスカー スパイシーハイボールをさらに香り高く、豊かな味わいにする極上のスパイスとするためだけに、横浜燻製工房さんの独自の燻製ノウハウで作られた、本当にスペシャルな逸品です。
「普通の黒胡椒とは香りの良さが全然違う」と評判の黒胡椒の燻製。そのおいしさの秘密とは?
本物の燻製は
最高の素材選びから
「燻製は素材のうまみを凝縮して風味を増す調理法です。黒胡椒を燻製にすると香りも風味も増して、料理の味をガラっと変えるほどのインパクトがありますよ」と話すのは横浜燻製工房の代表で燻匠(くんしょう)の栗生聡さん。
手作りの燻製のおいしさを追求するために、最高の素材を使って一つひとつ手仕事で行うのが工房の信条。黒胡椒の燻製には、独自に仕入れたインド産の黒胡椒、スコットランド産のピートなど、素材選びからとことんこだわっています。
「インド産の黒胡椒を選んだのは、大粒で質が高く燻製にしても一定の大きさが保てるから。タリスカーに使う胡椒ですから、当然燻煙に使うピートもスコットランド産がベスト。迷いはありませんでした」
スコットランド産ピート(泥炭)
さらに「2日間にわたって17~18時間スモークし、まんべんなく燻せるよう、4時間おきに胡椒を混ぜ返す」という気の遠くなるような手間をかけて作られています。
タリスカーのスモーキーかつスパイシーな味わいを引き立てるために、スコットランド産ピートを強烈に効かせた「オリジナルの黒胡椒の燻製」ですが、多くのウイスキー愛好家を魅了するための製法へのこだわりはまだまだあります。
他にはない、
個性ある燻製を求めて
燻製の匠として、常に最高の仕事を目指す栗生さん。工房に閉じこもって日々燻製の生産や研究を続けていますが、実はIT企業の社長というもう一つの顔を持つユニークな経歴の持ち主。
「最初に燻製を始めたのはニジマスの燻製です。趣味のフライフィッシングでたくさん釣れたニジマスを燻製にしてみようと思い、趣味として始めたんです。10年くらいかけて、ようやくおいしいと思える燻製が作れるようになり、会社の取引先に配ったりしていたんです。ところが、リーマンショックでIT部門の業績が悪化してしまい、思い切って趣味だった燻製を仕事にしてみようと思ったのが始まりでした」
徒手空拳で未知の食品業界へと飛び込んだ栗生さん、チャンスは早々と訪れます。
「初めて出展した食品のトレードショーで贈答用の燻製セットが準大賞を受賞したんです。それ以降、百貨店や著名なバーからの引き合いが来るようになり、いろんな燻製にチャレンジするようになりました」
受賞したのは、カキ、タラコ、ホタテの貝柱の海産物、ヤマメ、イワナ、ニジマスの渓魚の燻製などの珍しい燻製。現在では、海産物を中心に、枝豆、オリーブ、干し芋などの燻製もあり、経歴だけでなく燻製の品揃えもじつにユニークです。どの燻製もスモーキーなタリスカーとの相性が抜群です。
温故知新的燻製への
チャレンジ
多彩かつユニークな燻製にチャレンジし続ける横浜燻製工房さんですが、美味しさへのこだわりも半端ではありません。
「燻製は煮る・焼く・蒸すなどといった調理法の一つとして捉えています。おいしい燻製を作るには、素材選びはもちろん、普通の料理と同じように下地処理もします。棚にたくさん並べた調味料はそのためのものです。また、燻製は温度管理も非常に重要で、燻箱と呼んでいる燻製の製造装置もすべて自分で一から開発しました。」
どこまでも手仕事にこだわる燻匠が目指すのは「温故知新的燻製」の境地。燻製という伝統的な調理法によって、これまでにない斬新なグルメを生み出す原動力は、まさにあくなき情熱とチャレンジにありました。
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