LIFE WITH TALISKER 人生を豊かに彩るウイスキーコラム
タリスカーを愉しむ
お水をなぜチェイサーと呼ぶかご存知ですか?その理由と役割とは
バーや飲食店でウイスキーと一緒に飲む「チェイサー」。「チェイサーを下さい」と頼むと、たいていの場合、お水が出てきますが、その理由をご存じでしょうか。実はチェイサーにはただのお水以上の役割があり、チェイサーという呼び方にも理由があります。今回は、ウイスキーの名脇役、チェイサーが主役です。
(2024年6月更新)
チェイサーの意味は?
お水がチェイサーと呼ばれる理由
バーに行くと「チェイサー」という言葉が出てきます。
初めてバーを訪れる方にとっては、「チェイサーって何?」となって余計に緊張してしまう。そんな場面もあるかもしれません。
でも、心配はご無用。日本のバーで「チェイサーを下さい」といえば、たいていの場合、お水か炭酸水が出てきます。もちろん、普通に「お水を下さい」でもOKです。それなら「お水」と呼べばいいじゃないかという声も聞こえてきそうですね。
それでも、バーなどお酒を出すお店では、なぜわざわざ「チェイサー」と呼ぶのでしょうか。理由は、チェイサーの役割にあります。
ウイスキーと一緒に
チェイサーも頼んだ方がよい理由
チェイサーとは、英語の「chase(追いかける)」に由来していて、お酒を飲んだ後に追いかけるように飲む物という意味があります。実は、このチェイサーには意外に重要な役割があります。
①味覚をリセットする
ウイスキーなどの強いお酒をストレートやロックで飲み続けると、段々香りがわからなくなったり、舌がしびれたりすることがあります。こんな時、味覚をリセットし味や香りの感覚を取り戻してくれます。
②アルコール濃度を下げ、体への負担を軽減
ウイスキーのような強いお酒を飲み続けていると、血中のアルコール濃度を急激に上がり酔いやすくなります。チェイサーとしてお水や炭酸をとって、体内のアルコール濃度を下げることで、悪酔いを防いだり、内臓への負担を軽くすることも大切です。
③ウイスキーの風味を広げる
ウイスキーを飲んだ後にチェイサーを飲むことで、その香りや風味が口中に広がります。ウイスキーの種類によっては、加水したり水と同時に一緒に飲むことで、ストレートではわからなかった奥深い香りに気づける場合もあります。
④脱水症状、喉の渇きを防ぐ
アルコールを飲み続けていると、次第に喉の渇きを感じますよね。これはアルコール摂取による脱水症状が原因。脱水症状や喉の渇きを防ぐのにもチェイサーは役立ちます。
このようにウイスキーとチェイサーを交互に飲むことで、さまざまな効果を発揮します。
チェイサーは
お水以外にもいろいろある
チェイサーは、お店によってはお水の場合もあれば、炭酸水を出すお店もあります。また、ウイスキーによって向き不向きはありますが、好んでコーラやジュースをチェイサーに使う人もいます。
一方、スコッチの本場スコットランドのパブでは、何と黒ビールをチェイサーにする強者も大勢いるとか。ですが、一般的にアルコールの分解酵素が低いといわれるモンゴロイドである日本人は、決してマネしてはいけません。
また、ウイスキーといえば、ジャズ音楽とも関係の深いお酒です。有名なジャズピアニスト、セロニアス・モンクの「Straight,No Chaser」という名曲があります。「(ウイスキーを)ストレートで、チェイサーはいらないぜ」という意味ですが、個性派揃いのジャズミュージシャンの中でも異端児として知られているモンクの尖がった人物像をイメージさせるタイトルですね。機会があれば、ウイスキーを片手に聴いてみてはいかがでしょうか。
アメリカとイギリスでは
チェイサーの意味が正反対!
英語の「chase」に由来するチェイサーという言葉、実は同じ英語でも、アメリカとイギリスでは正反対の意味で使われます。ご紹介したお水や炭酸水という意味合いでは、アメリカで使われます。そのため、米語の辞書などには、「強い酒の直後か強い酒を飲みながら飲む、水やビール、コーヒー」と紹介されています。
対して、イギリスでいうところのチェイサーとは、「弱い酒の後に飲む強い酒」のこと。つまり、ビール等の後に追いかけて飲む、ウイスキーなどの強い酒という意味なんです!英国の文化圏では、まったく逆の意味になるので本場のパブ等で、チェイサーという表現にはくれぐれもご注意を!
タリスカー 10年のアルコール度数は45.8度と高めです。タリスカーをストレートやロックで楽しむ際は、健康のために水や炭酸水を飲むようにしましょう。健康への配慮だけでなく、個性的なタリスカーのお供として、さまざまな味と香りが楽しめるメリットもありますよ。