シングルモルト スコッチウイスキー タリスカー MADE BY THE SEA

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熟成年数が長い=高級ウイスキー?ウイスキーの熟成にはピークがある

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熟成年数が長い=おいしいウイスキー?ウイスキーの熟成にはピークがある

長い月日を経て、少年が成熟したカッコいい大人へと成長するように、ウイスキーもまた樽の中で熟成され、最高のドラム(一杯)となります。今回はウイスキーの深い味わいと芳醇な香りに欠かせない樽熟成とその熟成年数やピークについてご紹介します。

ウイスキーには樽熟成が必要

熟成年数が表示されたシングルモルトウイスキーは高価=高級なイメージがありますね。

コルク栓を開けた時の小気味よい音の後、ボトルからグラスへと静かに注がれる、魅惑的な琥珀色の液体。グラスを揺らせば、芳醇な香りを楽しませてくるウイスキー。

ウイスキーは、製造にかかるほとんどすべての時間を、樽の中で過ごします。

長い年月を経てゆっくりと樽の中で熟成され、初めて個性あるウイスキーの味わいや香りが生まれます。一般的に熟成年数が表示されたシングルモルトウイスキーは高価=高級なイメージがありますね。

ところが、熟成に要する年数は長いほど良いというものではなく、実は熟成にもピークがあります。

まずは、ウイスキーがどのように熟成されているか、ご紹介していきましょう。


香りと味わいを決める樽熟成
熟成年数はどう決めている?

香りと味わいを決める樽熟成 熟成年数はどう決めている?

以前のコラム(ウイスキーの熟成に必要不可欠な樽は、もともと○○するためのものだった!?)でもご紹介した通り、良いウイスキーを作るには、選び抜かれた樽での熟成が重要です。

ウイスキーの蒸留工程を終えたばかりの作りたての蒸留液は「ニューポット」または「ニューメイクスピリッツ」と呼ばれ、通常、アルコール度数70%以上のニューポットに水を加えて希釈してから樽に詰められます。

樽の中で熟成させる理由

蒸留したてのとげとげしいニューポットはいわば、「未成熟な」状態。長期間樽の中で熟成させることで、ゆっくりとまろやかな味わいに変化していきます。この間に、樽の木材から香り成分や色素成分が溶け出し、ウイスキーに豊かな味わいや香りを与えます。

どのくらいの期間、熟成させる?

ウイスキーの最低樽熟成年数を法律で定めている国があります。例えばイギリスの場合、スコッチウイスキー法により、最低3年以上樽熟成させると厳格に定められています。

樽詰めされたニューポットの「カド」が取れた状態、これがいわば「飲みごろ」の時期。この頃合いの時期に、それぞれのウイスキーの個性が表れています。

タリスカーの場合、最初の飲みごろを迎えるのがちょうど10年であるため、「タリスカー 10年」として商品化されます。

さらに、「18年」「25年」「30年」という銘柄は、さらに熟成を重ね、それぞれの味わいや個性を感じられる時期、ということで年数が設定されているというわけです。

樽が呼吸する

樽の中で、ウイスキーのアルコールは少しずつ蒸散し、同時に樽の中に周囲の空気を取り込みます。まるで樽自体が生き物のようにアルコールを蒸散し、空気を取り込むように見えるため、「樽が呼吸する」といわれるのです。樽が呼吸すればするほど、ウイスキーらしい深みのある味わいや香りが馴じんでいく、と考えられています。

そして年月が経つにつれ、少しずつ樽詰めされたウイスキーの量は減っていきます。このことを、「天使の分け前(エンジェルズ・シェア)」と呼ぶのは有名ですね。「天使がこっそり飲んだ分だけウイスキーが美味しくなる」といわれていますが、こうしたファンタジーのようなエピソードもウイスキーの魅力のひとつです。


熟成のピークを決めるのは樽
熟成のその先に待つのは?

タリスカーの「18年」「25年」「30年」という長期熟成を行ったラインナップがありますが、これまで発売された中での最長は「35年」で、これを超える製品は今のところ発売されていません。

一般的に、ウイスキーの熟成期間が長いものほど高級=高価格となっています。これは、ウイスキーの樽熟成に「ピーク」があり、長期間の熟成に耐えられるウイスキーが希少なため、価格が高くなっているのです。

タリスカーには「18年」「25年」「30年」という長期熟成を行ったラインナップがあります。

熟成年数とモルトウイスキーの個性の関係とは?

ウイスキーの熟成年数と個性との関係を表したグラフ

この図はウイスキーの熟成年数と個性との関係を表したグラフです。
タテ軸は「ウイスキーの個性」、ヨコ軸は「熟成期間」を表しています。向かって右に向かうほど、熟成が進んでいる状態です。

グラフ中の①~③の時期において、ウイスキーがどんな状態になっているか想像してみてください。

①は、まだウイスキーが「未成熟な状態」です。ニューポットの強いアルコール臭やとげとげしさがまだ残っている状態です。

②は、ようやくカドのとれたまろやかな味わいのウイスキーへと変わった状態です。この段階においてウイスキーの香りや味わいの個性がはっきりと現れます。たとえば、「タリスカー10年」は、このポイントでのボトリングを目指して熟成します。

③は、より熟成の進んだ段階です。タリスカーの「18年」「25年」「30年」などの長期熟成製品がここでボトリングされています。

ウイスキーの個性が良く表れるのが②の真ん中近く、そして熟成が進むにつれて、樽や熟成による風味が強くなっていきます。

長期熟成に適した樽の場合

長期熟成に適した樽の場合

また、ウイスキーの熟成に必要な期間は熟成させている場所の気温、湿度も影響しますが、樽の種類によっても異なります。すぐ上のグラフのように、ゆるやかにウイスキーを熟成させる樽もあります。最初のピークを迎える②のポイントが右に向かえば、先の表の樽以上に長い熟成期間が必要になるというわけです。

そして、樽のピークを完全に過ぎるまで寝かしてしまった場合、ウイスキーの味と香りはどうなると思いますか?
最後には「樽の木をそのまま舐めたような」木材の味しか残らなくなり、樽もまたその役目を終えることになります。

熟成年数の高いウイスキーは単に高級という以上に、むしろ希少性を愉しむためにあるといえますね。


ウイスキーは
成熟したカッコいい大人の
イメージそのもの

熟成の進んだウイスキーは 成熟したカッコいい大人の イメージそのもの

さまざまな人生経験を積み、公私ともに充実した年月が、人を成熟させていくものだとしたら、人生とはまさにウイスキーに似ているのかもしれません。

読者のみなさんも、熟成年数の異なるウイスキーの味わいを飲み比べ、違いのわかるカッコいい大人を目指してみてください。

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